住宅改修

段差、明るさの問題を解消し、高齢者・シニア世代にとって廊下・階段を安全な場所に。

第2回「廊下・階段」の解決策

廊下・階段は、日常的に使用頻度の高い場所ですが、気づきにくい小さな段差、暗くて足元が見づらいなど転倒・転落リスクがいっぱいです。小さな危険が大きな事故につながることもあります。できることから改善に努めましょう。

 
 

廊下の幅・段差の課題解決策

大島 巧・古本椋太郎・森 大成 が提案します

車椅子で廊下を通って居室へ移動しやすくするために、廊下の幅を広くすることができれば良いのですが、大掛かりなリフォームが必要になります。経済的にも大きな出費になってしまいますし、そもそも住宅の構造上、廊下の拡幅が困難なケースもあります。そのような場合の解決策として、部屋の出入り口の幅を広くするのが有効です。廊下の幅は狭くても、部屋の出入り口が広がると車椅子で曲がって扉を通るのが容易になります。
また廊下と敷居や沓摺(くつすり/ドア枠下の段差)といった段差は、小さいですがとても危険です。厚生労働省によれば、廊下のような同一平面上での転倒による高齢者の死亡例は、階段やステップなどからの転倒・転落による死亡例よりも多いとのことです。転倒を防ぐには両足・手の3点で身体を支えるのが理想的です。そのためには手すりの設置が有効ですが、お身体の障がいにより手すりを使えない方もいらっしゃいます。そのような場合には、廊下と敷居や沓摺の間にすりつけ板の設置をおすすめします。歩いての移動する方の躓き予防、車椅子で移動する場合の段差解消、どちらにも有効です。

廊下の暗さの課題解決策

大島 巧・古本椋太郎・森 大成 が提案します

日本の一般的な住宅は廊下が暗く躓きやすいという問題を抱えているケース多いです。廊下が外壁に面していれば窓を設置して外光を取り込んで明るくすることが可能です。また床の色を明るい素材に変更する方法もあります。そのようなリフォームが難しい場合には、足元に人感センサー付きの照明を取り付けるという方法があります。廊下を歩こうとすると自動的に照明が足元を照らしてくれるので、天井照明と合わせることで足元が見やすくなり、躓きによる転倒防止に役立ちます。蓄光式のマットもありますが、こちらは床とマットの境目に小さな段差ができますので注意が必要です。

大嶋 巧
日本福祉大学
健康科学部・福祉工学科・建築バリアフリー専修 4年
森 大成
日本福祉大学
健康科学部・福祉工学科・建築バリアフリー専修 4年
古本椋太郎
日本福祉大学
健康科学部・福祉工学科・建築バリアフリー専修 4年

 
 
 

階段のつくりの課題解決策

植松千明・石神侑夏 が提案します

階段の課題解決策はその家のつくりによって様々です。大規模リフォームが可能ならば、蹴上(けあげ/階段の1段の高さ)を低くし段差を増やしたり、踏面(ふみづら/階段の足をのせる板の上面)を広くすることが有効です。また廊下同様に階段の登り降りにおいても両足、手の3点で身体を支えることが重要になりますので、手すりの設置もおすすめです。ただし大きなリフォーム
なのでコスト面の問題もありますし、階段周りにそれなりのスペースが必要になります。大掛かりなリフォームが難しいという場合には、段差の境目を認識しやすいように段鼻(踏面の先端部分)の色を変えたり、滑り止めを取り付けることでコスト面でも大きな負担なく安全に効果が得られる方法もあります。

階段の暗さの課題解決策

植松千明・石神侑夏 が提案します

階段が日中でも暗く、登り降りに不安を抱く高齢者・シニア世代の方々は多いのではないでしょうか。その課題解決に役立つのが天井照明に加えて足元照明を増設することです。一般的な天井照明だけでは自分の影で足元が暗くなり、段差の境目が認識しづらく転落するというケースが多いのです。足元照明を設置し上下から照らすことで足元を確認しながら安心して登り降りができるようになります。この暗さ対策に加え、両足、手で身体を支えられる手すりの設置を組み合わせることが非常に有効な転倒・転落防止策になります。

植松千明
日本福祉大学
健康科学部・福祉工学科・建築バリアフリー専修 4年
石神侑夏
日本福祉大学
健康科学部・福祉工学科・建築バリアフリー専修 3年

 
 

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My エデンの園〈創造〉計画プロジェクトとは
いつまでも安心・安全に、自分の家で暮らすために。

いつまでも安全に安心して、慣れ親しんだ自分の家で暮らしたい。
それは、多くの方が望むことです。ただ、残念ながら、毎年30,000人以上の高齢者が「不慮の事故」で亡くなっています。厚生労働省「人口動態調査」調査票情報によると、「自然災害」、「交通事故」を除いた「不慮の事故」の死亡者数も増加傾向にあり、特に「誤嚥等の不慮の窒息」、「転倒・転落」、「不慮の溺死及び溺水」については「交通事故」より死亡者数が多いことが報告されています。
これは、高齢になるにつれて心身機能が低下することが大きく影響しています。「少し足が上がりづらくなった」、「ふとしたことで態勢を崩してしまう」ということが増えてきます。これまで何の不安も危険も感じることなく過ごしていた家のあちこちが、高齢者にとっては転倒や転落のリスクをはらんだ危険な場所へと変わってしまうのです。そして、そのリスクを回避するために、自分なりの対応方法を見つけていくのですが、それは自分の体・行動をその家に潜むリスクに慣れさせてしまっているだけで、根本的な問題解決にはなっていないのです。

今回、私たちは、そのような家の中にあるリスクについて、日本福祉大学健康科学部福祉工学科建築バリアフリー専修の村井准教授、そして研究室に所属する学生のみなさんとともに、改めて調べてみました。建築バリアフリー専修は、「福祉社会に求められる役割を果たすため、福祉や環境の目で考える建築の専門家に」をテーマにしています。
今回は、安心して、いつまでも暮らせる「理想の家」をコンセプトに「My エデンの園〈創造〉計画プロジェクト」と題して、シリーズで家の中で気を付けないといけないこと、そしてその解決方法をご提案して参ります。

尚、住宅改修や福祉用具については、介護保険を利用したサービス、各行政で行っている独自のサービスもあります。詳しくご相談したい方は当社窓口または、地域包括支援センターやケアマネージャーの方にご相談ください。

 

画像提供:PIXTA

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