コロナ禍でも気をつけるべき病気・健康情報:最新のCT検査

わかりにくい骨折も見逃しが少なくなる~最新のCT検査とは。

高齢者に多い、さまざまな骨折。一般的に、骨折が疑われる場合、レントゲン検査やCT検査、MRI検査を行います。ただし、通常のCT検査でも見落としやすい骨折もあります。そんな骨折をしっかり診断できるのが、デュアルエナジーCT(全身用コンピューター断層撮影装置)検査です。

エナジーデュアルCTの仕組みは?

一般のCT検査は1種類のX線を用いますが、デュアルエナジーCTは、2種類のX線エネルギー(低い管電圧と高い管電圧のX線)で撮影を行います。2種類のX線データによって、通常のCT撮影では得られない画像を得ることができます。

少し専門的になりますが、デュアルエナジーCTで得られる主な画像は、仮想単色X線画像(任意のエネルギーで撮影した画像を仮想的に生成した画像)や、物質弁別画像(特定の物質を強調、あるいは抑制して画像化する画像)です。

デュアルエナジーCTは、不顕在骨折を発見できる。

たとえば、不顕在骨折の場合、MRIで撮影すると、骨の傷んでいるところはすぐ色が変わって見えるのではっきりわかります。同じように、デュアルエナジーCTで撮影すると、骨の傷んでいるところを色で変えられるので、クリアに判別できます。

痛みはあるのに、検査では骨折が見つからない。そうしたわかりにくい骨折も、デュアルエナジーCTがあれば、正しく診断できます。

デュアルエナジーCTは、被ばく量が少ない。

デュアルエナジーCTは、少ない放射線の量で撮影することができ、被ばく量を低減できます。西尾市民病院で稼働している装置は、1回転で4センチだった撮影範囲が16センチに拡大。これまで5、6回は必要だった心臓の撮影が1回で完了するなど、患者さんへの被ばく量を低減できます。

また、人工知能(AI)の一種であるディープラーニングの技術を用いた画像構築を採用することで、画質を担保したまま被ばくを大幅に低減することができます。

さらに、デュアルエナジーCTは、造影剤の量を減らしても臓器やがんの場所がはっきりとわかるため、腎臓の機能が悪い方でも安心して検査を受けることができます。

デュアルエナジーCTのある病院はまだ少数派。

AI搭載モデルのデュアルエナジーCTを導入している国内の施設は、今のところ研究機関を備えた大学病院が中心です。西尾市民病院のような地域の公立病院に導入されるのは、非常に珍しいケースです。

一般の人々にあまり知られていないデュアルエナジーCTですが、整形外科領域以外では、脳出血、狭心症、肺がん、肝臓がん、腹部大動脈瘤など、さまざまな疾患の正しい診断に威力を発揮しています。

記事監修:西尾市民病院 整形外科 部長 犬飼 規夫


いかがでしたか。今回は少し専門的な内容になりましたが、デュアルエナジーCTの基礎知識についてご紹介しました。さらに詳しく知りたいという方はぜひ、WEBセミナー「骨折をより素早く判断できる可能性大!新導入デュアルエナジーCT」へどうぞ。

参考文献・出典など
■西尾市民病院「AIを活用した最新のデュアルエナジーCTを導入しました。」
https://hospital.city.nishio.aichi.jp/news/detail.php?seq=101

■ゆるゆる独学「Dual-energy CT入門①」
https://yuruyurudokugaku.hatenablog.jp/entry/2020/04/18/190000

■石川県立中央病院「医療技術部 放射線室トピックス」
https://kenchu.ipch.jp/department/giho2.html

■慶應義塾大学医学部放射線科学教室「CT」
http://rad.med.keio.ac.jp/dx/study/cont07/


画像提供:PIXTA

 

 

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シニア世代になると、​わずかな外力で骨折をしやすくなったり、​膝や股関節に不具合が出やすいもの。​正しく診断するための検査は必要だと思っていても、時間や体に負担のかかる検査には抵抗がある、手術は怖いなどと、痛みを我慢していませんか? 検査や治療​は​年々進化を遂げ、短時間で精度の高い検査ができる機器が開発​されました。西尾市民病院でも​、AI(人工知能)を活用して画像作成できる、最新のデュアルエナジーCT(全身用コンピューター断層撮影装置)を導入。このCTは、大学病院などの研究機関以外に導入されるのは全国初で、患者さんへの負担も大きく軽減されます。​本セミナーでは、整形外科専門医が、​デュアルエナジーCTが患者さんの診断と治療にもたらす可能性について、詳しくお教えします。

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