コロナ禍で働く看護職のセルフケア

コロナ禍での看護師の不安。原因別対処法で心の不調を防ぐ

コロナ禍における看護師の不安の背景には、さまざまなものがあります。長く続くと、うつ病など心の健康を損なう恐れもあり、早めの対処が必要です。立ち止まる時間もないほど多忙な毎日だと思いますが、一度、自分自身がどのようなことに不安を抱いているのかを見つめ直してみませんか? 不安別に対処方法を知って、心の不調を防ぎましょう。

心の不調は3~4割

コロナ禍の状況は刻々と変化しています。一時期の希望的観測が述べられた空気は一変して、看護師をはじめとする医療従事者の皆さんに、大きな負担がかかっています。そんな中、日常で感じる疲れや心配のレベルを超えてしまうような不安を抱える方も多いのではないでしょうか。

家に帰ってもくつろげず、職場でのことが頭を離れなかったり、ネガティブな想像ばかりが頭の中で広がっていったり、というような経験をしていたら、それは心の不調のサインともいえます。

非常に過酷で今までに経験したことのない状況ですから、不安を抱える可能性は大きいといえます。日本赤十字社医療センターが職員2,000人に対して実施した調査では、約3割の職員が、不安や抑うつ症状を抱えているという結果が出ています。もし、あなたに何らかの心の不調があっても、特別なことではありません。

看護師は3つの感染症リスクにさらされている!?

コロナ禍における看護職とその家族は、“3つの感染症リスク”にさらされているといいます。第1のリスクは、ウイルスによって引き起こされる「疾病」そのもの。第2のリスクは、不安や恐れなど心理的なもの。そして、第3のリスクは、偏見や差別など社会的なものです。このように看護職の皆さんは、何重にも感染症に苦しめられているのです。
もしもあなたが、今までにはなかった不安を感じているのなら、それがどのような不安なのか、一度立ち止まって考えてみましょう。

不安その1/ウイルスそのものによる影響

今の不安が、感染症対策に関するものであれば、どのようなことに不安を感じているのか、自分自身をモニタリングしてみましょう。
勤務先の病院で感染者の受け入れが決まったり、組織的なサポートが不十分だったりすれば、最前線にいる看護職にとっては、不安に思うのは当然です。このような場合には、ぜひ、職場で話し合い、どのような点に課題があるのか、組織での情報共有が充分かなどをチェックしてみましょう。

不安その2/不安や恐れなど心理的な影響

今の不安が、心理的なものであるならば、まず、自分自身の思いを閉じ込めないことが肝心です。家族や友達に助けを求め、話を聞いてもらいましょう。話しやすい同僚や信頼できる上司でもいいでしょう。話すことは“自分の思いを外に出す”ことです。ため込まずにこまめに話して整理しましょう。

また、日々、マスコミやSNSに流れる情報に身を任せていると、だれでも必要以上に不安を感じるものです。それを防ぐためにも、今の状況を必要以上に煽るものではない、正確な知識を手に入れましょう。正確な知識が、ご自身が所属する施設や組織から得られるものであれば、いっそう腑に落ちることでしょう。

不安その3/偏見や差別など社会的な影響

今の不安が、社会的な偏見や差別に対するものなら、なるべくそれを感じさせるところから離れましょう。また、偏見や差別は起きるものと理解しましょう。子どもたちなど自身の家族に関係することなど、離れることが難しい場合には、遠慮なく勤務先の上司などに相談し、より良い解決法をアドバイスしてもらいましょう。一人で解決するには大きすぎる問題ですから、抱え込まないように、他の人の助けを借りましょう。

もっとも分かってほしいことは

不安を感じることは、自然なことであり決して恥ずかしいことではありません。不安を放っておくと、抑うつ状態になったり、体に不調が現れたりします。
もしも不安を感じていたら、誰かに助けを求めていいのです。話すことからでも、話を聞くことからでも、“自分自身を看る”ことが何よりも大切です。必要な場合は、公的な相談窓口もご利用ください。

記事監修:愛知県精神保健福祉センター 保健福祉課長 立松敏子


参考文献
■日本赤十字社「新型コロナウイルス感染症対応に従事されている方のこころの健康を維持するために」
http://www.jrc.or.jp/activity/saigai/news/200330_006139.html

■新型コロナウイルスに関する相談窓口(医療従事者等)
https://www.pref.aichi.jp/site/covid19-aichi/korona-iryoumukesoudan.html
https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/337821.pdf


今回は、メンタルヘルスをテーマに、看護職の皆さんが自分を守るために必要な不安への対処について考えてみました。専門家からのもっと詳しい話を聞きたい方は、ぜひ、PlatzNurseWEBセミナーにご参加ください。

画像提供:PIXTA

 

 

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