病院のチカラを活用したシニアマーケティング戦略

コロナ流行後、医療の周辺に商機あり。ー医療とシニアマーケティング①ー

新型コロナ禍で、病院依存から脱却するシニアたち。

新型コロナウイルス感染症の流行はシニア層(※)の心や行動に大きな影響を与えました。その影響について、主に医療面から考察したいと思います。

シニアの多くは、未病も含め、何らかの病気を持ち、診療所や病院に通院したり、入院治療を受けていたりします。しかし、その医療習慣は、コロナ禍で一変しました。
ウイルス感染を恐れる人々は健診や受診を控えたり、予定手術を先延ばしにしたり、オンライン診療で処方箋を受け取るなど、病院と距離を置くようになりました。

そうなると、従来は医者任せにしていた健康管理について自分でしっかり管理しなくてはならないという思考が芽生えます。
たとえば、「こんなにたくさんの薬を飲んでいるけれど、果たして全部必要なのだろうか」「ひざ関節の予定手術を延期したけれど、もしかして手術しない治療法はないだろうか」など…。

新型コロナによってぽっかり空いた空白の時間に、それぞれが自分の病気治療や健康管理について考えるようになり、病院に依存していた人が「病院から自立」していこうとしているのではないかと推察されます。

※シニア層は一般に65歳以上の男女を指しますが、その年齢区分にこだわらず、ここでは60歳以上の男女をターゲットに考えています。

通院に通うことだけが、健康に繋がるわけじゃない。

病院依存から脱却をめざすシニアたちは、意識するかしないかに関わらず、重大な事実に気づいていると思います。
それは、病院にそれほど通わなくても、自分自身で意識して健康に取り組めば、案外健やかに暮らせるということです。

たとえば、定期的に通っていたリハビリテーションの回数を減らし、その分、毎日のウォーキングの時間を延ばすようになったAさんは、体力がアップしたように実感しています。

不眠症で多くの薬をもらっていたBさんは、薬を一時中断し、栄養バランスの取れた食事や運動を心がけるようになり、体調がよくなったように感じています。

また、入院中、コロナで家族の面会が制限されたことから在宅療養に切り替えたCさんは、性能のいい車いすを手に入れ、以前にも増して快活に暮らしています。こうしたシニアの行動変容のなかに、新しいシニアビジネスのタネがあるのかもしれません。

たとえば、シニアのウォーキングを医学的に支えるリハビリプログラムや専用シューズ、シニアの栄養補給をサポートする食事やサプリメント、シニアの日常生活動作を助ける補助具など…。病院依存から脱却を試みるシニア層は、今こそ健康に役立つ商品やサービスを求めているのではないでしょうか。

鍵を握るのは「病院とのコラボレーション」。

現在、新型コロナウイルス感染症の第3波が猛威を振るっています。

この新型コロナはやがて収束することが見込まれていますが、ワクチンの有効性がどれほどあるかはまだわからず、収束時期も予測できません。また、インフルエンザのように、毎年、流行を繰り返すかもしれません。

そうした状況を考えると、新型コロナ流行後もシニアの生活が元に戻ることは期待できないいでしょう。何らかの病気を持つ人も、アクティブに行動する人も、以前にも増して自分の健康に高い関心を払い、用心して暮らしていくことが予想されます。

そんなシニアマーケットに切り込む鍵が、「これまで閉ざされてきた病院とのコラボレーション」ではないかと考えます。

病院は今、コロナ禍にあって、苦しい経営を余儀なくされています。しかし、一部の病院は患者離れを食い止めるために、患者とのコミュニケーション戦略を再構築すべくさまざまなチャレンジを始めています。そうした前向きで意欲的な病院、高齢者を集める力を持つ病院と手を結ぶことによって、新しいビジネスチャンスが生まれると思います。

では、病院と企業などがどのようにコラボしていくのか、その具体的な戦略について、次回のブログで掘り下げていこうと思います。どうぞお楽しみに。

画像提供:PIXTA

【WEBセミナー開催予定】黒江 仁の病院広報講座

コロナ禍で離れつつある病院と地域住民との距離感を縮めるにはどうすれば良いか?
病院広報の力で地域とのコミュニケーションを取り戻し、適切な情報発信をしていくための方法を提案いたします。
どうぞお気軽にご参加ください。

詳しく見る

コメントを残す

*